第1章 数列8
POINT
等差数列の和は「逆順にして足して2で割る」で求まる(公式暗記は不要)
\(S_n=\dfrac{n(a_1+a_n)}{2}\)。先頭+末尾がどこも一定なので、逆順の和と足すと \(n(a_1+a_n)\) になります。
例題
初項 \(2\)、公差 \(3\) の等差数列の、初項から第10項までの和を求めよ。
解説
末項を出して和の公式へ。
\(a_{10}=2+9\cdot3=29\)末項
\(S=\dfrac{10(2+29)}{2}=155\)逆順に足す
答 \(155\)
第1章 数列9
POINT
等差数列であることの証明は、\(a_{n+1}-a_n=\)(一定)を示す
隣り合う項の差が\(n\) によらず一定(=公差)なら等差数列です。
例題
\(a_n=3n+1\) が等差数列であることを示せ。
解説
差が一定かを調べる。
\(a_{n+1}-a_n=\{3(n+1)+1\}-(3n+1)=3\)差が一定
答 公差 \(3\) の等差数列
第1章 数列10
POINT
等比数列の和は「公比をかけて引く」で求まる(公式丸暗記は不要)
\(S_n=\dfrac{a(r^n-1)}{r-1}\)。\(S\) と \(rS\) を並べて引くと途中がごっそり消えます。
例題
初項 \(1\)、公比 \(2\) の等比数列の初項から第 \(n\) 項までの和を求めよ。
解説
公比をかけて引く。
\(S=\dfrac{1\cdot(2^n-1)}{2-1}\)等比の和
\(=2^n-1\)計算
答 \(2^n-1\)
第1章 数列11
POINT
\(a,b,c\) がこの順で等差数列 ⇔ \(2b=a+c\)(等差中項)
真ん中は両隣の平均。\(b-a=c-b\) を整理した形です。
例題
\(3,\ x,\ 11\) がこの順で等差数列のとき \(x\) を求めよ。
解説
等差中項の関係を使う。
\(2x=3+11=14\)\(2b=a+c\)
\(x=7\)計算
答 \(7\)
第1章 数列12
POINT
\(a,b,c\) がこの順で等比数列 ⇔ \(b^2=ac\)(等比中項)
真ん中の2乗が両隣の積。\(\dfrac ba=\dfrac cb\) を整理した形です。
例題
\(2,\ x,\ 8\)(\(x\gt0\))がこの順で等比数列のとき \(x\) を求めよ。
解説
等比中項の関係を使う。
\(x^2=2\cdot8=16\)\(b^2=ac\)
\(x=4\)(\(x\gt0\))計算
答 \(4\)
第1章 数列13
POINT
調和数列とは、各項の逆数が等差数列になる数列
\(a_n\) の逆数 \(\dfrac{1}{a_n}\) が等差なら調和数列。逆数をとって等差数列として扱います。
例題
数列 \(1,\ \dfrac12,\ \dfrac13,\ \dfrac14,\dots\) は調和数列か。
解説
逆数が等差かを見る。
逆数は \(1,2,3,4,\dots\)(公差1の等差)逆数をとる
答 調和数列である
第1章 数列14
POINT
階差数列 \(b_n=a_{n+1}-a_n\) から、\(a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k\)(\(n\ge2\))
差の数列 \(b_n\) が分かれば、差を足し上げて元の数列が復元できます。\(n=1\) は別に確認。
例題
\(a_1=1\)、階差 \(b_n=2n\) のとき \(a_n\) を求めよ。
解説
階差を足し上げる。
\(a_n=1+\sum_{k=1}^{n-1}2k=1+n(n-1)\)\(a_1+\sum b_k\)
\(=n^2-n+1\)整理
答 \(a_n=n^2-n+1\)
第1章 数列15
POINT
\(\sum\) の計算は公式(\(\sum k=\dfrac{n(n+1)}{2}\) など)に帰着させる
\(\sum k,\ \sum k^2,\ \sum k^3\) の公式が基本。一般項を \(k\) の式にして項ごとに公式を当てます。
例題
\(\sum_{k=1}^{n}(2k-1)\) を \(n\) で表せ。
解説
項ごとに \(\sum\) 公式へ。
\(2\cdot\dfrac{n(n+1)}{2}-n=n(n+1)-n\)\(\sum k\) 等
\(=n^2\)整理
答 \(n^2\)
第1章 数列16
POINT
\(\sum_{k}\) の中では、\(k\) 以外はすべて定数として扱う
和をとる文字は \(k\) だけ。\(n\) や他の文字は定数として \(\sum\) の外に出せます。
例題
\(\sum_{k=1}^{n}(3k+2)\) を \(n\) で表せ。
解説
定数はまとめて処理。
\(3\cdot\dfrac{n(n+1)}{2}+2n\)kのみ和をとる
\(=\dfrac{n(3n+7)}{2}\)整理
答 \(\dfrac{n(3n+7)}{2}\)
第1章 数列17
POINT
\(S_n\) が与えられたら、\(a_n=S_n-S_{n-1}\)(\(n\ge2\))と \(a_1=S_1\) を使う
和から一般項へは1つ前の和を引く。\(n=1\) だけは \(a_1=S_1\) で別に確認します。
例題
\(S_n=n^2\) のとき \(a_n\) を求めよ。
解説
\(S_n-S_{n-1}\) を計算。
\(a_n=n^2-(n-1)^2=2n-1\)(\(n\ge2\))差をとる
\(a_1=S_1=1\)(\(2\cdot1-1\) と一致)n=1を確認
答 \(a_n=2n-1\)
第1章 数列18
\(\dfrac{1}{k(k+1)}=\dfrac1k-\dfrac{1}{k+1}\) のように分ければ、となりどうしが打ち消して(telescoping)残るのは両端だけ。
例題
\(\sum_{k=1}^{n}\dfrac{1}{k(k+1)}\) を求めよ。
解説
部分分数に分けて打ち消す。
\(\sum\left(\dfrac1k-\dfrac{1}{k+1}\right)=1-\dfrac{1}{n+1}\)打ち消し
\(=\dfrac{n}{n+1}\)整理
答 \(\dfrac{n}{n+1}\)
第1章 数列19
POINT
(等差)×(等比)の和は、公比をかけて引く(\(S-rS\))
\(S\) に公比 \(r\) をかけた \(rS\) を1つずらして並べ、\(S-rS\) で引くと等比の和に帰着します。
例題
\(S=1+2\cdot2+3\cdot2^2+\cdots+n\cdot2^{n-1}\) の求め方の方針を述べよ。
解説
公比2をかけてずらして引く。
\(2S\) を作り \(S-2S\) を計算ずらして引く
残りは等比の和に帰着計算できる形に
答 \(S-2S\) を作り、ずらして引く
第1章 数列20
POINT
群数列は、まず「第 \(k\) 群の最後の項が第何項か」を求める
各群の項数を足すと群の切れ目が第何項かが分かり、任意の項の位置を特定できます。
例題
群数列 \(1\,|\,2,3\,|\,4,5,6\,|\cdots\)(第 \(k\) 群は \(k\) 個)で、第10群の最初の項は第何項か。
解説
第9群の最後の項番号を出す。
第9群の最後 \(=1+2+\cdots+9=45\) 項群の切れ目
第10群の最初は第46項+1
答 第46項
第1章 数列21
POINT
漸化式は「\(a_{n+1}-a_n=f(n)\)(階差型)」か「\(a_{n+1}=r a_n\)(等比型)」に帰着させる
見慣れた等差・等比の形に持ち込むのが基本。差が \(f(n)\) なら階差、定数倍なら等比。
例題
\(a_1=1,\ a_{n+1}=a_n+3\) の一般項を求めよ。
解説
差が一定なので等差数列。
公差 \(3\)、初項 \(1\)等差型
\(a_n=1+3(n-1)=3n-2\)一般項
答 \(a_n=3n-2\)
第1章 数列22
POINT
\(a_{n+1}=pa_n+q\) は、\(\alpha=p\alpha+q\) を解き \(a_{n+1}-\alpha=p(a_n-\alpha)\) に変形
特性方程式の解 \(\alpha\) を引くと\(\{a_n-\alpha\}\) が等比数列になります。
例題
\(a_1=1,\ a_{n+1}=2a_n+1\) の一般項を求めよ。
解説
\(\alpha=2\alpha+1\) を解く。
\(\alpha=-1\) → \(a_{n+1}+1=2(a_n+1)\)等比に変形
\(a_n+1=2\cdot2^{n-1}\Rightarrow a_n=2^n-1\)解く
答 \(a_n=2^n-1\)
第1章 数列23
POINT
\(a_{n+1}=pa_n+r^n\) は、全体を \(r^n\)(または \(r^{n+1}\))で割る
両辺を \(r^n\) で割り \(b_n=\dfrac{a_n}{r^n}\) と置くと、\(b_n\) の漸化式(\(pa_n+q\) 型)になります。
例題
\(a_{n+1}=2a_n+3^n\) を解く方針を述べよ。
解説
\(3^n\) で割って置換する。
両辺を \(3^{n+1}\) で割り \(b_n=\dfrac{a_n}{3^n}\)\(r^n\)で割る
\(b_n\) の漸化式に帰着既知の形へ
答 \(3^n\) で割って \(b_n=\dfrac{a_n}{3^n}\) の漸化式に
第1章 数列24
POINT
\(a_{n+1}^p=q\,a_n^r\)(指数や \(\sqrt{\ }\) がつく)は、両辺の \(\log\) をとる
\(\log\) をとると指数が下りて\(b_n=\log a_n\) の漸化式(等差・等比型)になります。
例題
\(a_1=2,\ a_{n+1}=a_n^2\) を解く方針を述べよ。
解説
両辺の \(\log\) をとる。
\(\log a_{n+1}=2\log a_n\)logをとる
\(b_n=\log a_n\) が公比2の等比既知の形へ
答 両辺 \(\log\) をとり \(b_n=\log a_n\) の等比に
第1章 数列25
POINT
分数の漸化式は、逆数をとるとうまくいくことがある
\(a_{n+1}=\dfrac{a_n}{a_n+1}\) 型は逆数 \(b_n=\dfrac{1}{a_n}\) をとると等差になります。
例題
\(a_1=1,\ a_{n+1}=\dfrac{a_n}{a_n+1}\) の一般項を求めよ。
解説
逆数をとって等差に。
\(\dfrac{1}{a_{n+1}}=\dfrac{1}{a_n}+1\)逆数をとる
\(\dfrac{1}{a_n}=n\Rightarrow a_n=\dfrac1n\)等差を解く
答 \(a_n=\dfrac1n\)
第1章 数列26
POINT
3項間漸化式 \(a_{n+2}+p\,a_{n+1}+q\,a_n=0\) は、\(x^2+px+q=0\) を解く
特性方程式の解 \(\alpha,\beta\) を使い \(\{a_{n+1}-\alpha a_n\}\) が等比になることを利用します。
例題
\(a_{n+2}=5a_{n+1}-6a_n\) の特性方程式を書き、解を求めよ。
解説
\(a_n\to x^n\) とみなす。
\(x^2-5x+6=0\)特性方程式
\((x-2)(x-3)=0\Rightarrow x=2,3\)解く
答 \(x^2-5x+6=0\)(\(x=2,3\))
第1章 数列27
POINT
連立漸化式は、一方の数列を消して1つの漸化式にして解く
\(a_n,b_n\) の連立は、\(b_n\) を消去して \(a_n\) だけの3項間漸化式などにします。
例題
解説
片方を消去する。
\(b_n\) を消して \(a_n\) だけの漸化式に1本にまとめる
答 一方を消去して1つの漸化式にする
第1章 数列28
POINT
確率漸化式は、\(p_{n+1}\) を「\(n\) 回目に成立/不成立」の2通りで場合分け
\(n{+}1\) 回目の確率は、\(n\) 回目が成立していた場合と、していなかった場合に分けて足します。
例題
確率漸化式 \(p_{n+1}\) の立て方を述べよ。
解説
直前の成立・不成立で分ける。
\(p_{n+1}=(\text{成立時})p_n+(\text{不成立時})(1-p_n)\)場合分け
答 成立時 \(p_n\)・不成立時 \((1-p_n)\) で場合分け
第1章 数列29
POINT
相似な図形では、各辺が \(n\) 倍になると面積は \(n^2\) 倍になる
図形の漸化式では、相似比と面積比(2乗)を使って \(a_{n+1}\) を \(a_n\) で表します。
例題
相似比が \(1:2\) の2つの図形の面積比を答えよ。
解説
面積比は相似比の2乗。
\(1^2:2^2=1:4\)\(n^2\) 倍
答 \(1:4\)
第1章 数列30
POINT
数学的帰納法:\(n=1\) で確認し、\(n=k\) を仮定して \(n=k+1\) を示す
\(n=k+1\) の式に \(n=k\) の式が出るときは\(n=k\) の成立を仮定。\(n=1,\dots,k\) が出るなら \(n\le k\) を仮定します。
例題
\(1+2+\cdots+n=\dfrac{n(n+1)}{2}\) を帰納法で示す手順を述べよ。
解説
2段階で示す。
① \(n=1\) で成立を確認土台
② \(n=k\) を仮定し \(n=k+1\) を示す帰納段階
答 \(n=1\) 確認 →\(n=k\) 仮定 →\(n=k+1\) を示す