第1章 式の計算10
POINT
カッコが3つ以上ある式の展開は、かける順番を工夫する
前から順にかける必要はありません。「かけると形が簡単になる組」から先に計算するのがコツ。とくに和と差の積 \((a+b)(a-b)=a^2-b^2\) が作れる並べ替えは強力です。
例題
次の式を展開せよ。
\[(x+1)(x^2+1)(x-1)\]
解説
和と差の積が作れるように、\((x+1)\) と \((x-1)\) を先にかける。
\((x+1)(x-1)=x^2-1\)まず和と差の積
\((x^2-1)(x^2+1)=x^4-1\)ここでも和と差の積
答 \(x^4-1\)
第1章 式の計算11
POINT
同じ項を含む式の展開は、\(=A\) などで置き換える
共通のかたまりを1文字 \(A\) と見れば、ふつうの2次式の展開に早変わり。最後に \(A\) を元に戻すだけです。
例題
次の式を展開せよ。
\[(x+y+1)(x+y-3)\]
解説
共通の \(x+y\) を \(A\) とおくと、ただの2次式になる。
\((A+1)(A-3)=A^2-2A-3\)\(A=x+y\) とおいた
\(=(x+y)^2-2(x+y)-3\)\(A\) を元に戻す
答 \(x^2+2xy+y^2-2x-2y-3\)
第2章 因数分解12
POINT
因数分解は、最低次の文字で整理することから始める
2種類以上の文字が混じった式は、次数がいちばん低い文字について並べ替えるのが鉄則。次数が低いほど「〇×( )」の形にまとまり、共通因数が見えてきます。
例題
次の式を因数分解せよ。
\[x^2-xy+x-y\]
解説
\(x\) は2次・\(y\) は1次。次数の低い \(y\) について整理する。
\(=x(x+1)-y(x+1)\)項を分けて共通因数でくくる
\(=(x+1)(x-y)\)共通の \((x+1)\) でくくる
答 \((x+1)(x-y)\)
第3章 根号の計算13
POINT
分母に \(\sqrt{\ }\) がある場合は、有理化する
分母の根号は消すのが基本。\((a-b)(a+b)=a^2-b^2\) を利用し、分母の符号を反対にしたものを分母・分子にかけます。
例題
次の数の分母を有理化せよ。
\[\dfrac{1}{\sqrt{3}-1}\]
解説
分母の符号を変えた \(\sqrt{3}+1\) を、分母・分子にかける。
\(\dfrac{1}{\sqrt{3}-1}=\dfrac{\sqrt{3}+1}{(\sqrt{3}-1)(\sqrt{3}+1)}\)符号違いをかける
\(=\dfrac{\sqrt{3}+1}{2}\)分母は和と差の積で \(3-1=2\)
答 \(\dfrac{\sqrt{3}+1}{2}\)
第3章 根号の計算14
POINT
二重根号を外すには、\(\sqrt{a\pm 2\sqrt{b}}\) の「2」を作る
\(\sqrt{\,a\pm 2\sqrt{b}\,}\) は、たして \(a\)・かけて \(b\) になる2数を見つければ \(\sqrt{p}\pm\sqrt{q}\) と外せます。まず中を「\(2\sqrt{\ }\)」の形に整えるのが第一歩。
例題
次の二重根号を外せ。
\[\sqrt{7+4\sqrt{3}}\]
解説
まず根号の中を「\(2\sqrt{\ }\)」の形にそろえる。
\(\sqrt{7+4\sqrt{3}}=\sqrt{7+2\sqrt{12}}\)\(4\sqrt{3}=2\sqrt{12}\) で「2」を作る
\(=\sqrt{4}+\sqrt{3}=2+\sqrt{3}\)たして7・かけて12 → 3と4
答 \(2+\sqrt{3}\)
第3章 根号の計算15
POINT
無理数の大きさは、すべて \(\sqrt{\ }\) の中に入れて比較する
\(k\sqrt{a}=\sqrt{k^2 a}\)。係数を根号の中に押し込めば、あとは中身の数を比べるだけ。正の数どうしなら、中が大きいほど大きい数です。
例題
\(2\sqrt{3}\) と \(3\sqrt{2}\) の大小を比べよ。
解説
係数を根号の中に入れて、中身の数だけで比べる。
\(2\sqrt{3}=\sqrt{12},\quad 3\sqrt{2}=\sqrt{18}\)\(k\sqrt{a}=\sqrt{k^2 a}\)
\(12\lt 18 \ \Rightarrow\ \sqrt{12}\lt\sqrt{18}\)中が大きいほど大きい
答 \(2\sqrt{3}\lt 3\sqrt{2}\)
第4章 不等式16
POINT
「\(a\lt b\lt c\)」は、「\(a\lt b\) かつ \(b\lt c\)」と言い換える
3つ並んだ不等式は、2つの不等式に分けて別々に解き、最後に両方を満たす範囲(=重なり)をとります。
例題
次の不等式を解け。
\[1\lt 2x-3\lt 5\]
解説
\(1\lt 2x-3\lt 5\) を2つに分けて解く。
\(1\lt 2x-3 \ \Rightarrow\ x\gt 2\)左側の不等式
\(2x-3\lt 5 \ \Rightarrow\ x\lt 4\)右側の不等式
両方を満たす範囲(重なり)をとる。
答 \(2\lt x\lt 4\)
第4章 方程式17
POINT
\(x\) の方程式を解くとき、\(x\) の係数が \(0\) でも \(0\cdot x\) として残す
\(ax=b\) をいきなり「\(x=\dfrac{b}{a}\)」と割ってはいけません。\(a=0\) の可能性があるからです。係数が \(0\) のときを \(0\cdot x=b\) の形で残し、場合分けして考えます。
例題
\(a\) を定数とする。次の方程式を解け。
\[ax=2\]
解説
係数 \(a\) が \(0\) かどうかで場合分けする。
\(a\neq 0\) のとき \(x=\dfrac{2}{a}\)両辺を \(a\) で割れる
\(a=0\) のとき \(0\cdot x=2\)左辺は常に0で成り立たない
答 \(a\neq0\) のとき \(x=\dfrac{2}{a}\)、\(a=0\) のとき解なし