第1章 数と式8
POINT
カッコが3つ以上ある式の展開は、かける順番を工夫する
前から順にかける必要はありません。「かけると形が簡単になる組」から先に計算するのがコツ。とくに和と差の積 \((a+b)(a-b)=a^2-b^2\) が作れる並べ替えは強力です。
例題
次の式を展開せよ。
\[(x+1)(x^2+1)(x-1)\]
解説

和と差の積が作れるように、\((x+1)\) と \((x-1)\) を先にかける。

\((x+1)(x-1)=x^2-1\)まず和と差の積
\((x^2-1)(x^2+1)=x^4-1\)ここでも和と差の積
答 \(x^4-1\)
第1章 数と式9
POINT
同じ項を含む式の展開は、\(=A\) などで置き換える
共通のかたまりを1文字 \(A\) と見れば、ふつうの2次式の展開に早変わり。最後に \(A\) を元に戻すだけです。
例題
次の式を展開せよ。
\[(x+y+1)(x+y-3)\]
解説

共通の \(x+y\) を \(A\) とおくと、ただの2次式になる。

\((A+1)(A-3)=A^2-2A-3\)\(A=x+y\) とおいた
\(=(x+y)^2-2(x+y)-3\)\(A\) を元に戻す
答 \(x^2+2xy+y^2-2x-2y-3\)
第1章 数と式10
POINT
因数分解は、最低次の文字で整理することから始める
2種類以上の文字が混じった式は、次数がいちばん低い文字について並べ替えるのが鉄則。次数が低いほど「〇×( )」の形にまとまり、共通因数が見えてきます。
例題
次の式を因数分解せよ。
\[x^2-xy+x-y\]
解説

\(x\) は2次・\(y\) は1次。次数の低い \(y\) について整理する。

\(=x(x+1)-y(x+1)\)項を分けて共通因数でくくる
\(=(x+1)(x-y)\)共通の \((x+1)\) でくくる
答 \((x+1)(x-y)\)
第1章 数と式11
POINT
分母に \(\sqrt{\ }\) がある場合は、有理化する
分母の根号は消すのが基本。\((a-b)(a+b)=a^2-b^2\) を利用し、分母の符号を反対にしたものを分母・分子にかけます。
例題
次の数の分母を有理化せよ。
\[\dfrac{1}{\sqrt{3}-1}\]
解説

分母の符号を変えた \(\sqrt{3}+1\) を、分母・分子にかける。

\(\dfrac{1}{\sqrt{3}-1}=\dfrac{\sqrt{3}+1}{(\sqrt{3}-1)(\sqrt{3}+1)}\)符号違いをかける
\(=\dfrac{\sqrt{3}+1}{2}\)分母は和と差の積で \(3-1=2\)
答 \(\dfrac{\sqrt{3}+1}{2}\)
第1章 数と式12
POINT
二重根号を外すには、\(\sqrt{a\pm 2\sqrt{b}}\) の「2」を作る
\(\sqrt{\,a\pm 2\sqrt{b}\,}\) は、たして \(a\)・かけて \(b\) になる2数を見つければ \(\sqrt{p}\pm\sqrt{q}\) と外せます。まず中を「\(2\sqrt{\ }\)」の形に整えるのが第一歩。
例題
次の二重根号を外せ。
\[\sqrt{7+4\sqrt{3}}\]
解説

まず根号の中を「\(2\sqrt{\ }\)」の形にそろえる。

\(\sqrt{7+4\sqrt{3}}=\sqrt{7+2\sqrt{12}}\)\(4\sqrt{3}=2\sqrt{12}\) で「2」を作る
\(=\sqrt{4}+\sqrt{3}=2+\sqrt{3}\)たして7・かけて12 → 3と4
答 \(2+\sqrt{3}\)
第1章 数と式13
POINT
無理数の大きさは、すべて \(\sqrt{\ }\) の中に入れて比較する
\(k\sqrt{a}=\sqrt{k^2 a}\)。係数を根号の中に押し込めば、あとは中身の数を比べるだけ。正の数どうしなら、中が大きいほど大きい数です。
例題
\(2\sqrt{3}\) と \(3\sqrt{2}\) の大小を比べよ。
解説

係数を根号の中に入れて、中身の数だけで比べる。

\(2\sqrt{3}=\sqrt{12},\quad 3\sqrt{2}=\sqrt{18}\)\(k\sqrt{a}=\sqrt{k^2 a}\)
\(12\lt 18 \ \Rightarrow\ \sqrt{12}\lt\sqrt{18}\)中が大きいほど大きい
答 \(2\sqrt{3}\lt 3\sqrt{2}\)
第1章 数と式14
POINT
「\(a\lt b\lt c\)」は、「\(a\lt b\) かつ \(b\lt c\)」と言い換える
3つ並んだ不等式は、2つの不等式に分けて別々に解き、最後に両方を満たす範囲(=重なり)をとります。
例題
次の不等式を解け。
\[1\lt 2x-3\lt 5\]
24
解説

\(1\lt 2x-3\lt 5\) を2つに分けて解く。

\(1\lt 2x-3 \ \Rightarrow\ x\gt 2\)左側の不等式
\(2x-3\lt 5 \ \Rightarrow\ x\lt 4\)右側の不等式

両方を満たす範囲(重なり)をとる。

答 \(2\lt x\lt 4\)
第1章 数と式15
POINT
\(x\) の方程式を解くとき、\(x\) の係数が \(0\) でも \(0\cdot x\) として残す
\(ax=b\) をいきなり「\(x=\dfrac{b}{a}\)」と割ってはいけません。\(a=0\) の可能性があるからです。係数が \(0\) のときを \(0\cdot x=b\) の形で残し、場合分けして考えます。
例題
\(a\) を定数とする。次の方程式を解け。
\[ax=2\]
解説

係数 \(a\) が \(0\) かどうかで場合分けする。

\(a\neq 0\) のとき \(x=\dfrac{2}{a}\)両辺を \(a\) で割れる
\(a=0\) のとき \(0\cdot x=2\)左辺は常に0で成り立たない
答 \(a\neq0\) のとき \(x=\dfrac{2}{a}\)、\(a=0\) のとき解なし
第1章 数と式16
POINT
\(a^3+b^3+c^3-3abc=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)\) は暗記
よく出る因数分解の公式。丸ごと覚えるのが速い。とくに \(a+b+c=0\) のとき右辺が \(0\) になり、\(a^3+b^3+c^3=3abc\) が使えます。
例題
\(a+b+c=0\) のとき \(a^3+b^3+c^3\) を \(abc\) で表せ。
解説

暗記公式を使う。

\(a^3+b^3+c^3-3abc=(a+b+c)(\cdots)\)公式
\(a+b+c=0\) を代入 → 右辺は \(0\)第1因子が0
答 \(a^3+b^3+c^3=3abc\)
第1章 数と式17
POINT
複2次式の因数分解は、無理やり \(x^2-y^2\)(平方の差)の形を作る
そのままでは因数分解できないとき、適当な項を足して引いて平方の差を作り、和と差の積に持ち込みます。
例題
\(x^4+x^2+1\) を因数分解せよ。
解説

\(x^2\) を足して引き、平方の差を作る。

\(=x^4+2x^2+1-x^2=(x^2+1)^2-x^2\)平方の差
\(=(x^2+1+x)(x^2+1-x)\)和と差の積
答 \((x^2+x+1)(x^2-x+1)\)
第1章 数と式18
POINT
\(x,y\) の2次式が1次式の積になるかは、\(x\) について整理して調べる
\(ax^2+bxy+cy^2+dx+ey+f\) は、\(x\) の2次式として整理し、定数部(\(y\) の式)を因数分解してたすきがけ。判別式 \(=0\) を使う方法もあります。
例題
\(x^2+3xy+2y^2+2x+3y+1\) を因数分解せよ。
解説

\(x\) について整理してたすきがけ。

\(x^2+(3y+2)x+(2y^2+3y+1)\)\(x\) の2次式に
定数部 \(=(y+1)(2y+1)\)\(y\) の式を因数分解
\(=(x+y+1)(x+2y+1)\)たすきがけ
答 \((x+y+1)(x+2y+1)\)
第1章 数と式19
POINT
\(\sqrt{a^2}\) があったら、\(\sqrt{a^2}=|a|\) と変形する
\(\sqrt{\ }\) は必ず \(0\) 以上。\(a\) の符号が不明なら \(\sqrt{a^2}=|a|\) とし、符号で場合分けします(\(a\ge0\) なら \(a\)、\(a\lt0\) なら \(-a\))。
例題
\(a\lt 0\) のとき \(\sqrt{a^2}\) を \(a\) で表せ。
解説

まず絶対値に直す。

\(\sqrt{a^2}=|a|\)必ず0以上
\(a\lt0\) なので \(|a|=-a\)符号で場合分け
答 \(-a\)
第1章 数と式20
POINT
絶対値があったら、中身の正負で場合分けして外す
\(|A|\) は \(A\ge0\) なら \(A\)、\(A\lt0\) なら \(-A\)。中身が \(0\) になる所を境目に場合分けします。
例題
\(|x-2|=3\) を解け。
-125−15
解説

中身が \(\pm3\) になればよい。

\(x-2=3\) または \(x-2=-3\)中身の正負
\(x=5,\ -1\)それぞれ解く
答 \(x=5,\ -1\)
第1章 数と式21
POINT
無理数の整数部分は、その大きさを整数で挟んで求める
\(\sqrt{a}\) を挟む連続する2整数 \(n\lt\sqrt{a}\lt n+1\) を見つければ、整数部分は \(n\)、小数部分は \(\sqrt{a}-n\)。
例題
\(\sqrt{7}\) の整数部分を求めよ。
01234√7
解説

平方が7を挟む整数を探す。

\(2^2=4,\ 3^2=9\) より \(2\lt\sqrt{7}\lt3\)整数で挟む
整数部分は \(2\)下側の整数
答 \(2\)
第1章 数と式22
POINT
2文字 \(x,y\) の対称式は、\(x+y\) と \(xy\) だけで表せる
和 \(x+y\) と積 \(xy\)(基本対称式)で表すのが定石。\(x^2+y^2=(x+y)^2-2xy\) のように変形します。
例題
\(x+y=3,\ xy=1\) のとき \(x^2+y^2\) を求めよ。
解説

基本対称式で表してから代入。

\(x^2+y^2=(x+y)^2-2xy\)対称式の変形
\(=3^2-2\cdot1=7\)代入
答 \(7\)
第1章 数と式23
POINT
3文字 \(x,y,z\) の対称式は、\(x+y+z,\ xy+yz+zx,\ xyz\) で表せる
3文字の基本対称式はこの3つ。例えば \(x^2+y^2+z^2=(x+y+z)^2-2(xy+yz+zx)\)。
例題
\(x+y+z=2,\ xy+yz+zx=-1\) のとき \(x^2+y^2+z^2\) を求めよ。
解説

基本対称式で表してから代入。

\(x^2+y^2+z^2=(x+y+z)^2-2(xy+yz+zx)\)対称式の変形
\(=2^2-2\cdot(-1)=6\)代入
答 \(6\)
第1章 数と式24
POINT
\(x\) と \(\dfrac{1}{x}\) の対称式は、\(\dfrac{1}{x}=y\) とみれば2文字の対称式
\(x+\dfrac{1}{x}\) を1つのかたまりと考えるのがコツ。\(x^2+\dfrac{1}{x^2}=\left(x+\dfrac{1}{x}\right)^2-2\) のように使えます。
例題
\(x+\dfrac{1}{x}=3\) のとき \(x^2+\dfrac{1}{x^2}\) を求めよ。
解説

和の2乗から \(2\) を引く。

\(x^2+\dfrac{1}{x^2}=\left(x+\dfrac{1}{x}\right)^2-2\)\(2\cdot x\cdot\frac{1}{x}=2\)
\(=3^2-2=7\)代入
答 \(7\)
第1章 数と式25
POINT
代入問題は、先に式を簡単にしてから代入する
いきなり値を入れると大変。因数分解や次数下げで式を簡単にしてから代入すると、速くて正確です。
例題
\(x=99\) のとき \(x^2+2x+1\) の値を求めよ。
解説

因数分解してから代入する。

\(x^2+2x+1=(x+1)^2\)先に簡単に
\(=(99+1)^2=100^2=10000\)最後に代入
答 \(10000\)
第1章 数と式26
POINT
無理数の代入は、無理数を片方に寄せて2乗し、次数を下げる式を作る
\(\sqrt{\ }\) を含む値の代入は、\(\sqrt{\ }\) を片側に寄せて2乗すると根号が消え、次数を下げる関係式が得られます。
例題
\(x=2+\sqrt{3}\) のとき \(x^2-4x+1\) の値を求めよ。
解説

\(\sqrt{3}\) を寄せて2乗し、関係式を作る。

\(x-2=\sqrt{3}\) → \(x^2-4x+4=3\)2乗して根号を消す
\(x^2-4x+1=(x^2-4x+4)-3=0\)作った式で次数下げ
答 \(0\)
第1章 数と式27
POINT
不等式の両辺を文字 \(a\) で割るときは、\(a\lt0,\ a=0,\ 0\lt a\) で場合分け
不等式は負の数で割ると向きが逆になり、\(a=0\) では割れません。だから \(a\) の符号で3通りに分けます。
例題
\(a\) を定数とする。不等式 \(ax\gt 1\) を解け。
解説

\(a\) の符号で3つに分ける。

\(0\lt a\) のとき \(x\gt\dfrac{1}{a}\)正で割る(向きそのまま)
\(a\lt0\) のとき \(x\lt\dfrac{1}{a}\)負で割る(向き逆)
\(a=0\) のとき \(0\cdot x\gt1\) → 解なし割れない
答 \(0\lt a\):\(x\gt\dfrac{1}{a}\)、\(a\lt0\):\(x\lt\dfrac{1}{a}\)、\(a=0\):解なし
第1章 数と式28
POINT
文章題で「〜を求めよ」と言われたら、まずそれを \(x\) と置く
求めたい量を \(x\) とおき、条件を \(x\) の式(方程式・不等式)にするのが第一歩。\(x\) の範囲(\(x\gt0\) など)も忘れずに。
例題
縦が横より \(2\,\text{cm}\) 長い長方形の面積が \(15\,\text{cm}^2\)。横の長さを求めよ。
xx+2
解説

求める横の長さを \(x\) とおく(\(x\gt0\))。

縦 \(x+2\)、面積 \(x(x+2)=15\)条件を式に
\((x+5)(x-3)=0\)、\(x\gt0\) より \(x=3\)解いて範囲で絞る
答 \(3\,\text{cm}\)
第2章 集合と命題29
POINT
集合が不等式の範囲で与えられたら、数直線上で考える
共通部分 \(A\cap B\) や和集合 \(A\cup B\) は、範囲を数直線に描いて重なり・全体を読むのが確実。頭の中だけで処理しないのがコツです。
例題
\(A=\{x\mid -1\le x\lt 3\}\)、\(B=\{x\mid 1\lt x\le 5\}\) のとき \(A\cap B\) を求めよ。
-1135ABA∩B
解説

2つの範囲を数直線に描き、重なる部分を読む。

\(A:\ -1\le x\lt 3\)左寄りの範囲
\(B:\ 1\lt x\le 5\)右寄りの範囲

重なるのは \(1\lt x\lt 3\)。

答 \(A\cap B=\{x\mid 1\lt x\lt 3\}\)
第2章 集合と命題30
POINT
\(A\subset B\) を示すには、「\(x\in A\) なら \(x\in B\)」を示す
包含 \(A\subset B\) の定義は「Aのどの要素もBに入る」。要素を1つとり、Bの条件を満たすことを追いかけます。
例題
\(A=\{4\text{の倍数}\}\)、\(B=\{2\text{の倍数}\}\) のとき \(A\subset B\) を示せ。
解説

\(A\) の要素を1つとり、\(B\) の条件を満たすことを示す。

\(x\in A \Rightarrow x=4k\)(\(k\) は整数)4の倍数
\(x=2\cdot(2k)\) だから2の倍数よって \(x\in B\)
答 ゆえに \(A\subset B\)
第2章 集合と命題31
POINT
\(A=B\) を示すには、\(A\subset B\) かつ \(B\subset A\) を示す
2つの集合が等しいことは、互いに相手を含むことと同値。両向きを1つずつ示します。
例題
\(A=\{x\mid x^2=1\}\)、\(B=\{-1,\ 1\}\) が等しいことを示せ。
解説

両向きの包含を示す。

\(x^2=1 \Rightarrow x=\pm 1\)\(A\subset B\)
\(-1,\ 1\) はともに \(x^2=1\) を満たす\(B\subset A\)
答 ゆえに \(A=B\)
第2章 集合と命題32
POINT
\(p\Rightarrow q\) の真偽は、集合の包含関係で考える
条件 \(p,q\) の表す集合を \(P,Q\) とすると、\(p\Rightarrow q\) が真 ⇔ \(P\subset Q\)。範囲で見れば一目です。
例題
「\(x\gt 3 \Rightarrow x\gt 1\)」の真偽を調べよ。
13QP
解説

条件の表す範囲の包含を見る。

\(P=\{x\mid x\gt 3\},\ Q=\{x\mid x\gt 1\}\)各条件の集合
\(P\subset Q\)(\(x\gt 3\) なら必ず \(x\gt 1\))範囲が内側
答 真
第2章 集合と命題33
POINT
無理数であることの証明は、背理法を使うことが多い
「無理数である」を直接示すのは難しいので、いったん有理数と仮定して矛盾を導くのが定石です。
例題
\(\sqrt{2}\) が無理数であることの証明の方針を述べよ。
解説

有理数と仮定して矛盾を導く(背理法)。

\(\sqrt{2}=\dfrac{m}{n}\)(既約分数)と仮定有理数と仮定
2乗して \(m^2=2n^2\) → \(m,n\) がともに偶数既約に矛盾
答 矛盾。ゆえに \(\sqrt{2}\) は無理数
第2章 集合と命題34
POINT
\(a+b\sqrt{2}=0\)(\(a,b\) は有理数)なら \(a=b=0\) しかない
もし \(b\neq 0\) なら \(\sqrt{2}=-\dfrac{a}{b}\) となり「無理数=有理数」で矛盾。だから \(b=0\)、続いて \(a=0\)。これを無理数の相等といいます。
例題
有理数 \(a,b\) が \(a+b\sqrt{2}=3+\sqrt{2}\) を満たすとき、\(a,b\) を求めよ。
解説

「有理数部=有理数部・\(\sqrt{2}\) の係数=係数」で比べる。

\((a-3)+(b-1)\sqrt{2}=0\)右辺を移項
\(a-3=0,\ b-1=0\)無理数の相等
答 \(a=3,\ b=1\)
第3章 二次関数35
POINT
放物線の式は、\(y=a(x-p)^2+q\)(頂点)・\(y=a(x-s)(x-t)\)(交点)などで置く
分かっている情報に合わせて置き方を選ぶと速い。頂点が分かれば \(a(x-p)^2+q\)、x軸との交点が分かれば \(a(x-s)(x-t)\) で置きます。
例題
頂点が \((2,-1)\)、点 \((0,3)\) を通る放物線を求めよ。
O(0,3)頂点(2,-1)
解説

頂点が分かるので、標準形で置く。

\(y=a(x-2)^2-1\)頂点 \((2,-1)\)
\((0,3)\) を代入:\(3=4a-1 \Rightarrow a=1\)通る点を代入
答 \(y=(x-2)^2-1\)
第3章 二次関数36
POINT
「2次関数 \(y=ax^2+bx+c\)」は \(a\neq0\)、「関数 \(\cdots\)」は \(a=0\) の可能性もある
「2次」と明記されていれば \(a\neq0\) が保証されます。単に「関数」なら \(a=0\)(1次関数など)も起こりうるので、\(a=0\) と \(a\neq0\) の場合分けが要ります。
例題
関数 \(y=ax^2+2x+1\) が1次関数になる \(a\) を求めよ。
解説

1次関数になるのは \(x^2\) の項が消えるとき。

\(x^2\) の係数 \(a=0\)係数を0に
このとき \(y=2x+1\)たしかに1次関数
答 \(a=0\)
第3章 二次関数37
POINT
2次関数の最大値・最小値は、「頂点」か「定義域の端」でとる
まず平方完成して頂点を出し、グラフをかくのが基本。定義域があるときは、頂点が範囲に入るかどうかで最大・最小の場所が変わります。
例題
\(y=x^2-4x+5\)(\(0\le x\le 3\))の最大値・最小値を求めよ。
O頂点(2,1)
解説

平方完成してグラフをかき、定義域と照らす。

\(y=(x-2)^2+1\)頂点 \((2,1)\)
頂点 \(x=2\) は範囲内 → 最小 \(1\)頂点で最小
端は \(x=0\) で \(5\)、\(x=3\) で \(2\) → 最大 \(5\)遠い端で最大
答 最大 \(5\)(\(x=0\))、最小 \(1\)(\(x=2\))
第3章 二次関数38
POINT
2次方程式は、①因数分解できればする、②できなければ解の公式
まず因数分解を試すのが速い。無理なら解の公式 \(x=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\) を使います。
例題
\(x^2-5x+3=0\) を解け。
解説

因数分解できないので解の公式を使う。

\(x=\dfrac{5\pm\sqrt{25-12}}{2}\)\(b^2-4ac=13\)
\(=\dfrac{5\pm\sqrt{13}}{2}\)整理する
答 \(x=\dfrac{5\pm\sqrt{13}}{2}\)
第3章 二次関数39
POINT
2次方程式の実数解の個数は、グラフ(判別式 \(D=b^2-4ac\))で考える
グラフがx軸と何回交わるか=実数解の個数。\(D\gt0\) で2個、\(D=0\) で1個、\(D\lt0\) で0個です。
例題
\(x^2-4x+k=0\) が異なる2つの実数解をもつ \(k\) の範囲を求めよ。
O
解説

異なる2解 ⇔ x軸と2点で交わる ⇔ \(D\gt0\)。

\(D=(-4)^2-4k=16-4k\)判別式
\(16-4k\gt0\)\(D\gt0\) を解く
答 \(k\lt 4\)
第3章 二次関数40
POINT
グラフから \(a,b,c\) の符号を求めるには、①凹凸 ②軸の位置 ③点の代入
①凹凸で \(a\)、②軸 \(x=-\dfrac{b}{2a}\) の左右で \(b\)、③\(y\) 切片(\(x=0\))で \(c\) の符号が読めます。
例題
図(下に凸・軸は \(y\) 軸の右・\(y\) 切片が負)について \(a,b,c\) の符号を答えよ。
Oy切片<0
解説

3つの手がかりを順に読む。

下に凸 → \(a\gt0\)①凹凸
軸 \(-\dfrac{b}{2a}\gt0\)、\(a\gt0\) より \(b\lt0\)②軸が右
\(y\) 切片が負 → \(c\lt0\)③\(x=0\) で代入
答 \(a\gt0,\ b\lt0,\ c\lt0\)
第3章 二次関数41
POINT
2次不等式は、グラフで考える
\(ax^2+bx+c\gt 0\) はグラフがx軸より上にある \(x\) の範囲。まず \(=0\) の解を求め、上に凸・下に凸とあわせて範囲を読みます。
例題
次の不等式を解け。
\[x^2-x-6\gt 0\]
O-23
解説

\(=0\) の解を求め、下に凸のグラフで上側を読む。

\(x^2-x-6=(x+2)(x-3)=0 \Rightarrow x=-2,\ 3\)x軸との交点
下に凸でx軸より上 → 交点の外側グラフの上側
答 \(x\lt -2\) または \(x\gt 3\)
第3章 二次関数42
POINT
放物線がx軸から切り取る線分の長さは、解を \(\alpha\lt\beta\) として \(\beta-\alpha\)
x軸との2交点の \(x\) 座標が \(\alpha,\beta\)。線分の長さはその差 \(\beta-\alpha\) です。
例題
\(y=x^2-5x+4\) がx軸から切り取る線分の長さを求めよ。
O14
解説

x軸との交点を求め、その差をとる。

\(x^2-5x+4=(x-1)(x-4)=0 \Rightarrow x=1,\ 4\)交点のx座標
長さ \(=4-1=3\)\(\beta-\alpha\)
答 \(3\)
第3章 二次関数43
POINT
2次方程式の解の存在範囲は、①頂点の位置 ②区間端での \(f\) の符号で条件を立てる
グラフを思い浮かべ、判別式・軸の位置と端での符号 \(f(k)\)を組み合わせて、解がどこにあるかを式にします。
例題
\(x^2-2mx+m+2=0\) が異なる2つの正の解をもつ \(m\) の範囲を求めよ。
Of(0)>0
解説

「異なる2解」「ともに正」を条件式にする。

\(\tfrac{D}{4}=m^2-(m+2)\gt0 \Rightarrow m\lt-1,\ 2\lt m\)異なる2解
軸 \(x=m\gt0\)2解が正(軸が正)
\(f(0)=m+2\gt0 \Rightarrow m\gt-2\)端の符号
答 \(m\gt 2\)
第3章 二次関数44
POINT
文字を置き換えたときは、前の文字がもっていた条件を引き継ぐ
\(t=x^2\) や \(t=x+\dfrac{1}{x}\) などと置換したら、新しい文字 \(t\) の動く範囲を必ず調べます。忘れると最大・最小がずれます。
例題
\(x\ge 0\) のとき \(t=x^2\) のとりうる値の範囲を求めよ。
解説

元の文字の条件を、新しい文字に引き継ぐ。

\(x\ge 0\) を2乗する条件を引き継ぐ
\(t=x^2\ge 0\)\(t\) の範囲
答 \(t\ge 0\)
第4章 図形と計量45
POINT
三角比は、単位円上の点の座標で考える(鈍角にも拡張できる)
半径 \(1\) の円で、角 \(\theta\) の動径と円の交点を \((\cos\theta,\ \sin\theta)\) とします。これなら鈍角(90°〜180°)の三角比も定義でき、符号もそのまま読めます。
例題
\(\sin150^\circ,\ \cos150^\circ\) の値を求めよ。
cosθsinθθPO
解説

\(150^\circ\) の動径の先の座標を読む。

第2象限なので \(x\lt0,\ y\gt0\)単位円の位置
\(\cos150^\circ=-\dfrac{\sqrt3}{2},\ \sin150^\circ=\dfrac12\)座標を読む
答 \(\sin150^\circ=\dfrac12,\ \cos150^\circ=-\dfrac{\sqrt3}{2}\)
第4章 図形と計量46
POINT
三角比どうしの変換は、\(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\) と \(\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}\)
1つの三角比から他を出す関係式。まず \(\sin^2+\cos^2=1\) で \(\sin\)⇄\(\cos\)、そのあと \(\tan=\dfrac{\sin}{\cos}\)。符号は角の範囲で決めます。
例題
\(\theta\) が鋭角で \(\cos\theta=\dfrac35\) のとき \(\sin\theta,\ \tan\theta\) を求めよ。
θ543
解説

まず \(\sin^2+\cos^2=1\) で \(\sin\) を出す。

\(\sin^2\theta=1-\dfrac{9}{25}=\dfrac{16}{25}\)鋭角なので正
\(\sin\theta=\dfrac45,\ \tan\theta=\dfrac{\sin}{\cos}=\dfrac43\)\(\tan=\sin/\cos\)
答 \(\sin\theta=\dfrac45,\ \tan\theta=\dfrac43\)
第4章 図形と計量47
POINT
「2辺とそれぞれの対角」で1つ不明なら、正弦定理を使う
\(\dfrac{a}{\sin A}=\dfrac{b}{\sin B}=\dfrac{c}{\sin C}=2R\)(\(R\)=外接円の半径)。辺とその対角の組がからむ問題で使います。
例題
\(a=\sqrt2,\ A=45^\circ,\ B=60^\circ\) のとき辺 \(b\) を求めよ。
BCA
解説

辺と対角の組なので正弦定理。

\(\dfrac{a}{\sin A}=\dfrac{b}{\sin B}\)正弦定理
\(b=\dfrac{a\sin B}{\sin A}=\dfrac{\sqrt2\cdot\frac{\sqrt3}{2}}{\frac{\sqrt2}{2}}=\sqrt3\)代入
答 \(b=\sqrt3\)
第4章 図形と計量48
POINT
「3辺と1角」で1つ不明なら、余弦定理を使う
\(a^2=b^2+c^2-2bc\cos A\)。3辺と1つの角がからむとき使えます。角を求めるなら \(\cos A=\dfrac{b^2+c^2-a^2}{2bc}\)。
例題
\(b=3,\ c=5,\ A=60^\circ\) のとき辺 \(a\) を求めよ。
ABCab=3c=5
解説

3辺と1角なので余弦定理。

\(a^2=b^2+c^2-2bc\cos A\)余弦定理
\(=9+25-2\cdot3\cdot5\cdot\dfrac12=19\)代入
答 \(a=\sqrt{19}\)
第4章 図形と計量49
POINT
三角形の内接円の半径は、面積 \(S=\dfrac12 r(a+b+c)\) から求める
内接円の半径 \(r\) は、面積 \(S\) と周の長さから \(r=\dfrac{2S}{a+b+c}\)。面積は \(\dfrac12 bc\sin A\) やヘロンで出します。
例題
3辺 \(3,\ 4,\ 5\) の三角形の内接円の半径を求めよ。
534
解説

直角三角形なので面積はすぐ出る。

\(S=\dfrac12\cdot3\cdot4=6\)面積
\(r=\dfrac{2S}{a+b+c}=\dfrac{12}{12}=1\)\(S=\frac12 r\times\)周
答 \(r=1\)
第4章 図形と計量50
POINT
角の二等分線がからむ長さは、①辺の比、②面積の関係を使う
内角の二等分線は対辺を両隣の辺の比に分けます(\(BD:DC=AB:AC\))。長さは \(\triangle ABD+\triangle ACD=\triangle ABC\) の面積関係からも出せます。
例題
\(\triangle ABC\) で \(AB=6,\ AC=4\)。\(\angle A\) の二等分線と \(BC\) の交点を \(D\) とするとき \(BD:DC\) を求めよ。
DABCAC=4AB=6
解説

二等分線は対辺を隣の辺の比に分ける。

\(BD:DC=AB:AC\)角の二等分線の性質
\(=6:4=3:2\)約分
答 \(BD:DC=3:2\)
第4章 図形と計量51
POINT
三角形の形状を問われたら、すべて辺の長さに直す
\(\sin,\ \cos\) を含む関係式は、正弦・余弦定理で辺 \(a,b,c\) の式に直すと形状が見えます(例:\(a^2=b^2+c^2\) なら直角三角形)。
例題
\(\triangle ABC\) が \(a=2b\cos C\) を満たすとき、どんな三角形か。
CABCabc
解説

余弦定理で \(\cos C\) を辺に直す。

\(\cos C=\dfrac{a^2+b^2-c^2}{2ab}\) を代入辺に直す
\(a=\dfrac{a^2+b^2-c^2}{a}\Rightarrow b^2=c^2\)整理
答 \(b=c\) の二等辺三角形
第4章 図形と計量52
POINT
比例式 \(\bigcirc=\triangle=\square\) があったら、\(=k\) とおく
連比や \(\dfrac{a}{\sin A}=\dfrac{b}{\sin B}=\dfrac{c}{\sin C}\) のような式は、共通の値を \(k\) とおくと各文字を \(k\) で表せて扱いやすくなります。
例題
\(\dfrac{x}{2}=\dfrac{y}{3}=\dfrac{z}{4}\) のとき \(\dfrac{x+y+z}{z}\) を求めよ。
2kx3ky4kz
解説

共通の値を \(k\) とおく。

\(x=2k,\ y=3k,\ z=4k\)\(=k\) とおく
\(\dfrac{x+y+z}{z}=\dfrac{9k}{4k}=\dfrac94\)代入して約分
答 \(\dfrac94\)
第4章 図形と計量53
POINT
多角形は、対角線で三角形に分割して考える
四角形などは対角線で三角形に分け、各三角形で正弦・余弦定理や面積公式 \(\dfrac12ab\sin\theta\) を使います。
例題
1辺 \(1\) の正六角形の面積を求めよ。
1
解説

中心から分けると正三角形6個になる。

正三角形1個 \(=\dfrac12\cdot1\cdot1\cdot\sin60^\circ=\dfrac{\sqrt3}{4}\)面積公式
\(6\times\dfrac{\sqrt3}{4}=\dfrac{3\sqrt3}{2}\)6個ぶん
答 \(\dfrac{3\sqrt3}{2}\)
第4章 図形と計量54
POINT
円に内接する四角形は、向かい合う角の和が \(180^\circ\)
対角の和が \(180^\circ\) なので、\(\cos\) が符号違いで結べます。2つの三角形に余弦定理を立てて対角線や辺を求めます。
例題
円に内接する四角形 \(ABCD\) で \(\angle A=100^\circ\) のとき \(\angle C\) を求めよ。
A100°BC?D
解説

対角の和は \(180^\circ\)。

\(\angle A+\angle C=180^\circ\)内接四角形
\(\angle C=180^\circ-100^\circ=80^\circ\)引く
答 \(80^\circ\)
第4章 図形と計量55
POINT
立体の内接球の半径は、体積 \(V=\dfrac13 rS\)(\(S\)=表面積)から求める
三角形の内接円と同じ発想の立体版。体積を「各面 × 半径 ÷ 3」の和とみて \(r=\dfrac{3V}{S}\)(\(S\)=全表面積)。
例題
体積 \(V=8\)、表面積 \(S=24\) の立体の内接球の半径を求めよ。
r
解説

体積を「面 × 半径 ÷ 3」の和とみる。

\(V=\dfrac13 rS\)内接球の関係
\(r=\dfrac{3V}{S}=\dfrac{24}{24}=1\)代入
答 \(r=1\)
第4章 図形と計量56
POINT
空間図形の最短距離は、その面を取り出して平面(展開図)で考える
表面に沿う最短経路は、通る面を展開図にして直線で結ぶのが基本。空間のままにせず平面へ直すと、三平方の定理が使えます。
例題
直方体の表面を這って、ある頂点から対角の頂点まで行く最短距離の求め方を述べよ。
AGAG展開図
解説

空間のまま考えず、平面に開く。

通る2面を展開図にして平らにする平面に直す
展開図上で2点を直線で結ぶ三平方の定理
答 展開図の直線距離が最短
第4章 図形と計量57
POINT
立体の問題は、適切な断面で切って平面問題に帰着する
空間のまま考えず、問題の要素を含む平面で切ると、三角比・三平方が使える平面図形の問題になります。
例題
正四面体の高さの求め方の方針を述べよ。
h
解説

高さを含む断面で切る。

頂点と底面の重心を通る面で切る平面に直す
断面の直角三角形で三平方高さを計算
答 断面の直角三角形で三平方
第4章 図形と計量58
POINT
三角形の成立条件は「2辺の和 > 残り1辺」= \(|b-c|\lt a\lt b+c\)
3辺 \(a,b,c\) が三角形をつくるのは、どの2辺の和も残りより大きいとき。まとめると \(|b-c|\lt a\lt b+c\)。
例題
3辺が \(3,\ 5,\ x\) の三角形ができる \(x\) の範囲を求めよ。
abc
解説

成立条件にあてはめる。

\(|5-3|\lt x\lt 5+3\)\(|b-c|\lt a\lt b+c\)
\(2\lt x\lt 8\)計算
答 \(2\lt x\lt 8\)
第4章 図形と計量59
POINT
鋭角三角形 ⇔ 最大角 \(\theta\) が \(0^\circ\lt\theta\lt90^\circ\)(\(\cos\theta\gt0\))
すべての角が鋭角=最大の角が90°未満で十分。余弦定理で最大角の \(\cos\) を作り、\(\cos\gt0\)(=\(a^2\lt b^2+c^2\))を条件にします。
例題
3辺 \(2,\ 3,\ x\)(\(3\lt x\))が鋭角三角形になる \(x\) の範囲を求めよ。
θ32x
解説

最大辺 \(x\) の対角が鋭角である条件。

\(x^2\lt 2^2+3^2=13\)\(\cos\gt0\)
三角形成立とあわせ \(3\lt x\lt\sqrt{13}\)\(x\lt\sqrt{13}\)
答 \(3\lt x\lt\sqrt{13}\)